つい先日に起きた大阪にある駅内での刃物の事件、小田急線刺傷事件や京王線刺傷事件、東海道新幹線での殺傷事件など、密室の列車内での事件に震える思いをした方も多いのではないでしょうか。
また、事件報道がトラウマになり、しばらく電車に乗れなくなってしまったという方も…。
今後も起こる可能性が高い列車内での事件について、遭遇した時の適切な対策や注意点をしっかり確認しておきましょう。
電車に乗る時やホームで気をつけること
まず、ホームではスマホなど「ながら歩き」は厳禁。
ながら歩きをしている人は画面に集中しているので、犯人のターゲットにされやすいです。
また、乗車前のホームでも気を許さないようにして、さりげなく不審者がいないかどうか全体をチェックしておきましょう。
乗車位置は一番先頭は避けた方が良いです。どうしても先頭になってしまう場合は、乗車口とある程度の距離を取るようにして、前後左右の視界を確保しておきましょう。
なお、仕事によっては難しいかもしれませんが、コアタイムなどできるだけ混雑する時間帯を避けることも重要です。
非常通報ボタンや消火器の場所を確認
非常通報ボタンや消火器は、一般的に1車両につき1~2ヶ所の設置です。
乗降口やドアの近く・連結部分辺り・優先席付近に設置されていることが多いので、通勤通学など電車に乗っている時に、実際に非常通報ボタンや消火器の位置を自分の目で確認しておきましょう。
なお、消火器は剥き出しの場合と、優先席の下に仕舞ってある場合があるので注意が必要です。
非常通報ボタンの正しい使い方
非常通報ボタンは車掌に緊急事態が起こっていることを伝えられるもので、インターホンのような仕様が特徴。
しかし、小田急線刺傷事件や京王線刺傷事件で、非常通報ボタンは何度も押されていたものの、車掌が呼びかけても乗客が応じなかったため、何が起こっているのか把握するまで時間がかかってしまったという経緯があります。
車内で異変が起こった時は速やかに非常通報ボタンを押して、マイクに向かって具体的に何が起こっているのかを車掌に伝えるよう努めましょう。
消火器の正しい使い方
日本の電車は溶けにくく火災に強い素材で作られており、急激に燃え広がることのないよう設計されています。
車内で火災が起こったら、まずは隣の車両へ逃げることが大切。
全員逃げ終わった時点で車両間の扉を閉めることで、燃え広がりや煙の充満を防げます。
実際に消火活動を行う場合は、火種まで7~8mほど近づいて、黄色の安全ピンを外して、ホースを火元に向けてレバーを押して噴射します。
ただし、爆発物など火元に近づくと逆に危険な場合もあるので、「①まず隣の車両に逃げる」「②隣の車両で、非常通報ボタンを押す」「③どうしても消火する必要がある場合は消火器を使う」の順番で対処するようにしましょう。
電車内で事件に遭遇したら
それでは、実際に事件に遭遇した時の対処方法や注意点・日用品の使い方を紹介します。
何よりもまず逃げる・車両を移動する
防犯知識の基礎でもあるように、「とにかく隣の車両へ移動する」「犯行現場からできるだけ離れる」が最初にすることです。
非常通報ボタンを押すのは、隣の車両に逃げてからでOKです。
パニックになってなかなか進まない場合に自分の近くに非常通報ボタンがあれば、すぐにボタンを押してマイクを通して車掌に状況を伝えましょう。
防刃バッグなど防犯グッズを使う
防刃グッズは、バッグや手袋・Tシャツやブルゾン・ジャケットなど様々な種類が展開されています。
通勤用のバッグを防刃バッグにすることで、ナイフなど刃物で切りかかられてもバッグを盾にできます。犯人の気を逸らして被害を食い止めながら、逃げ道を探しましょう。
身を守るための傘の正しい使い方
傘や折り畳み傘を持ち歩いていた場合は、閉じたままの状態で警棒のように振り回して犯人の気を逸らすことができます。
また、至近距離で犯人と対峙している時は、折り畳み傘・傘は開かずに、閉じたまま手首から肘に貼り付けるようにして持ち、ボクシングのディフェンスのような形で盾にして、犯人からの攻撃を防ぎます。
刃物を振り回す犯人に対峙したら
近距離でナイフなど刃物を振り回す犯人に対峙した時のために、必要な3点の知識を厳選しました。何よりも逃げることが大切ですが、犯人が襲いかかってきた時に自分の身を守るポイントも把握しておきましょう。
身体の中心(正中線)と首周りを守る意識で
犯人からの攻撃をガードする上で一番大切なのは、
体の中心(正中線)に集まっている急所と首周りを守ること。
バッグやジャケット、閉じた傘を振り回して、とにかく急所への攻撃を逸らします。犯人のやる気を逸らして抵抗しながら距離を取って、できるだけ犯人から離れるようにします。
刃物を振り回す人は下半身のガードが緩い
刃物を振り回す犯人の意識は上半身に集中しているため、下半身のガードが甘くなっていることを知識として覚えておきましょう。
また、あまり犯行に慣れていない犯人の場合は、刃物を振り回すと大振りになることが多いです。大振りに刃物を振り下ろしている間に、サッと身を屈めて犯人の下半身の横をすり抜けるように走って逃げることで助かるケースもありますよ。
転んだらすぐ立ち上がる!しゃがむのはNG
逃げている最中や犯人と対峙している時に、
恐怖でしゃがみ込んでしまうのは絶対にNGです。
犯人が攻撃しやすくなり、ターゲットになってしまうことも。
逃げる途中でしりもちをついたり転んでしまった場合も、すぐに立ち上がるように意識しましょう。
まとめ
列車内でも防犯の基本の「とにかく逃げる」「犯人を倒そうとしない」が有効です。
自分の持ち物の使い方や、身を守る際の防御ポイントを押さえておくだけで対処しやすくなります。
「防犯グッズのボディーガード」では、防刃グローブなど防刃グッズも取り揃えております。護身用品も上手に活用しながら不測の事態に備えましょう。